ホットケーキミックスとイケア効果と達成感

 最近、家計の見直しや投資の方向性の検討を有償でファイナンシャルプランナーの方にやってもらっている僕です。基本的なアドバイスは全うで信頼しているのですが、積立型の保険を案内されたりして、保険は保険、積立は積立、混ぜるな危険って学校で習わななかったの?という感じ。まあ本職でファイナンシャルプランナーをしている方なので、もっと深い考察があるのかもしれません。今度聞いてみます。

 で、そのファイナンシャルプランナーの方に保険とは別で投資商品を紹介されて、内容はざっくり「とある海外の社債を買えば2年で1.2倍になります。1口100万円です。」というものでした。第一感は「それが出来たら全員お金持ちになれる気がするし、ポンジスキーム感満載ですけど?」という感じだったのですが、それとは別でちょっともやっとするものがありました。今日はそれについて書く会です。

ホットミックスとイケア効果

 昔アメリカで、水と混ぜるだけでホットケーキが作れるホットケーキミックスが開発販売されたのですが、売れ行きは芳しくありませんでした。そこで企業の人は何をしたかというと、そのホットケーキミックスから卵の成分を除外して、水とを混ぜて初めてホットケーキが作れるホットケーキミックスを売りました。そうしたらバカ売れして今に至る、という話があります。*1

 なぜ水と混ぜるだけでホットケーキが作れるホットケーキミックスが売れなくて、卵も必要なホットケーキミックスがバカ売れしたか、という理由として、水と混ぜるだけでは調理が簡単すぎて、「自分の介在価値を感じられない」or「自分で作ったという満足感を感じられない」ということが挙げられています。

 「卵加えるだけで介在価値やら達成感を感じられるなんて脳みそお花畑かよ」やら「無洗米が泣いてるぞ」なんて思ったりもしますが、実際そうなのであればそうなのでしょう。

 似たような事例として、人間には自分が作ったものについて本来それが持つ以上の価値を感じてしまうという性質もあって、「イケア効果」なんて言われています。*2

自分の努力が多少絡んでいる方が楽しい説

 冒頭に書いた話に戻ってくるのですが、システマチックに「貴方のお金を特定の場所にあずければ2年で1.2倍になるよ」ってそれは嬉しいのだけど、全然労力がかかってないのね。だからもやっとする。

 だから「素人が個別株を売買するより、インデックスファンドをドルコスト平均法で買う方がトータルリターンは高い」と知りながら個別株に手を出しちゃう。「他の人は知らんが、僕は個別株で市場平均に勝ちたい!いや勝つんだ!」という思いもあるでしょう。けど、それとは別でそっちの方が儲けたときの達成感があるからやっているという理由もありそうだな、と思ったお話。

 

それでは、ごきげんよう(゚∀゚)アヒャ

*1:これは結構有名な話なのですが、何年代の話なのか、その会社はどれなのかは調べても分かりませんでした。もしかしたら作り話なのかも。ご存知の方は教えて下さい。

*2:その最たる例が我が子だったりするのかもしれません。