人工知能やロボットに代替されない職業を考える

 2015年にNRIから「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に」というレポートが出ました。要旨っぽいところを引用しておきます。

英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授およびカール・ベネディクト・フレイ 博士との共同研究により、国内601種類の職業について、それぞれ人工知能やロボット等で代替 される 確率を試算しました。この結果、10~20年後に 、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との 推計結果が得られています。

 各職種について、「代替可能性が高い/低い」はリンク先PDFの下の方にかかれているので、気になる方は見てください。オックスフォード大学とNRIという権威性の塊みたいな団体の共同研究なので、僕がいろいろ言ったところで劣化コピー以上のものにはならないんですが、考えるのは自由!なので、考えてみた回です。

「仕事が代替される」について

1.  今ある仕事が急に0になるわけではない

 「やっべ、仕事無くなるじゃん」って焦る必要はあんまりないと思っていて、なぜならいきなり0になる訳では無いからです。無くなった仕事としてよく取り上げられる切符を切る駅員さんだって、昨日まで5万人働いてたけど、本日を以て全員解雇、みたいなことはなりません。少しずつそれぞれの駅の改札が自動改札機に変わっていったことでしょう。そうです、往々にして、この手の変化は徐々に起きる気がします。 ただ、変化は徐々に起きるからこそ「茹でガエル現象」には気をつけたいところです。

2. 全くなくなるわけではないものもある

 100が0になるものもあれば、100が10になる、みたいな仕事もあると思います。100が10になる場合、9割の人の仕事はなくなりますが、仕事自体が消えるわけではありません。なので、なくなると言われていても上位層にいれば問題ないケースもあります。

こういう要素がある仕事はなくならない説

1. 人を人として扱う仕事

 僕たちには承認欲求があります。明確に「我を認めよ」という感じではなくても、「他者から人として認知/認識されたい」「話を聞いて欲しい」みたいな思いは少なからずあるのではないでしょうか。

 なので、人を人として扱う職業、例えば高級なサービスに関わる仕事はなくならないと思います。ご飯で言うと我々がファーストフードに行くときは「安く早い」のを目的としているため接客は人じゃなくてロボットもいいけど、高級料亭では中居さんやシェフに「おもてなし」して欲しい、みたいな感じです。ビジネスホテルとラグジュアリーホテルも同様です。

 介護や看護でも、世話自体はロボットに代替されるかもしれないけど、コミュニケーションの部分は代替出来ないと思います。学校についても、授業は教えるのが上手な人のビデオを流せば良いかもしれないけど、担任的な人はやっぱり欲しいね、とか。他にもカウンセラー、コンセルジュ、バーテンダー、ホスト、キャバ嬢、風俗嬢も無くならない気がします。 

2. その枠で行うべきの作業の種類が多い仕事

 似たような職業で比較してみると少し分かりやすいかもしれません。例えばレジ。スーパーのレジよりコンビニのレジの方が行うべき作業の種類が多いです。なので、スーパーのレジよりコンビニのレジの方がよりなくならない仕事だと思います。配達でいうと、運ぶべき荷物の大きさや重量は作業単位で言うと宅配よりも引っ越しの方が多いので、宅配より引っ越しの方がなくならないかな、とか。*1そういえば、上に書いた「人の相手」って分岐が多くて大変ですね🙄

 ちなみに、その枠で行うべき作業が単調なもの、例えば、ベルトコンベアに流れる製品から不良品を見つける作業、毎回画面の同じ箇所をクリックする事務作業、右から流れてきた情報を決められた手順で処理して左に渡す作業等は機械に代替されるでしょう。といいますか、すでに代替されているものもあります。

3. 新しいデータを作る側の仕事

 機械は既にあるデータを覚えたり、模倣したりするのが得意なので、既にデータがたくさんある作業は機械に代替されます。一方で、新しいデータを作る側の仕事、例えば、異分野の境界に立ち橋渡しとなる人や新しいアイデアを考える人、アーティスト、クリエイター等はこれからも残り続けるでしょう。

 

 「『仕事がなくならない』と『稼げる』は別の話なんだよなぁ」なんて思いながら書いてました。「何があっても大丈夫!」って境地に早く達したいです。

それでは、ごきげんよう(゚∀゚)アヒャ

*1:宅配も0にはならないと思いますが、ドローン等で配送出来るかどうか、みたいな実験がされていますね